【後編】82歳の起業家が語る、スマホやクラウドファンディングも使いこなすパワーの源は? 東京タブレット研究会代表・山根明さん

昨年11月から今年1月まで「シニア世代向けスマホ講座で使用するiPhone 6s Plusを購入したい」というプロジェクトを実施し達成された、東京タブレット研究会代表で、「すまほ茶屋」という講座を開講されている、山根明さんにお話を伺いました。山根さんは御年82歳にして、スマホやクラウドファンディングも使いこなす精力的な方。そのパワーの源は?前編・後編の全2回でお届けいたします。後編の今回は、チャンスを掴む情報収集の方法や、クラウドファンディングに挑戦した際に学んだことなどをお話いただきました。

情報収集は「CANPAN」から


――ちなみに、コンペやクラウドファンディングの情報はどうやって知ったのですか?


山根:山田(泰久)さんの日本財団CANPANの記事からです。あとは彼のFacebookを見て知ることが多いですね。


クラウドファンディングは、熱意を持ってアピールする


――クラウドファンディング支援者の方々は、やはり周りの方々が多かったですか?


山根:もう半ば強制的みたいにね。〔笑〕頼まれたら仕方ないかと。勉強したのは、やはり人の気持ちってわからないなあと思いましたね。当然してくれると思っていた人がだめだったり、全然予想もしていなかった人が来てくれて。これは意外でしたね。

皆さんそれなりの、お金についての哲学を持っておられる。外から見てもそれはわからないよね。こういうクラウドファンディングのときになったら、1,000円出すか出さないかとなったら、やはり出さないのね。ものすごくシビアですよ。そのシビアなところをどうやって乗り越えるかといったら、その人の熱意なんですよね。

僕のようなプロジェクトだと、保険の外交と一緒で、知っている人がたくさん支援してくださいました。ただ、そのお金をどうやって集めるかが難しくて…。

アップしたらそのまま全部READYFORさんがやってくれて勝手にお金が湧くと思ったら間違い。やはり自分で努力してアピールしないと周りの人は応援してくれない。

ただそのどうやったら応援してくれるかをREADYFORさんが教えてくれるので、それをちゃんと着実に実行することが大事。


――セミナーがあったら、ぜひご登壇していただきたいなと思います。


山根:自分で体験したことだったら話せますよ。失敗談も含めてお伝えできると思います。

日本社会というのは、失敗をオープンにしない。そうすると、どういうことになるかというと、また同じ失敗をするんですよね。だから私の場合は、Facebookに、恥ずかしいけど失敗談も載せるんです。なぜかといったら、後からついてくる人が、同じ過ちを繰り返すのはエネルギーの無駄じゃないですか、社会的に見ると。で、公表しておくと、ああいうやり方ならいいのかとか、あれはだめなんだというのは、やはり他山の石で、見えるわけです。だから私は、そんなにブログにしてもウエブにしても、人気はないけれど、そこそこのギャラリーがいます。

去年の前半、ビジネスコンペ、連戦連敗だったんです。出すもの出すもの全部だめで。それから学習したの。世の中、上を見ればきりがない。素晴らしい人はたくさんいる。その人とけんかしても負ける。負けるけんかはしちゃだめ。ということで、世田谷区に視線を置いたら、幾らでもおいしい仕事があるわけ。〔笑〕

今、WAMの国の予算は、数年前の半分以下になっている。となると、競争がものすごく激しくなるんですよ。そんなところで無駄なエネルギーを使うんだったら、1日24時間しかないんだから、もっと別のところで視点を変えて、おいしい仕事を探した方がいい。それがさっきの(世田谷区の)チラシ。何がいいかといったら、やっぱり認知度が高くなる。それと行政の、例えば世田谷区の120カ所、区の施設にポスティングできるんです。これがお金に換えられない。

私は例えばいろんなビジネスコンペ、失敗するじゃないですか。失敗とは思っていないですよ。学習、学び。

だから、皆さんがクラウドファンディングで失敗したとき、それはあくまでも学習だから、次チャレンジする。失敗と思ったら、チャレンジできないですよ。


――とても良い学びの時間でした!ありがとうございました。