【後編】地元・茨城県真壁町の魅力を知ってほしい!地域の酒蔵で酒造体験を開催、参加者の反応は

前編では、Readyforディレクターの井上が、「茨城に魅力がないとは言わせない!真壁町の酒蔵で酒造体験開催!」(https://readyfor.jp/projects/kamosu-makabe)で酒造体験をした1日目についてご紹介しました。後編の今回は、2日目の体験内容をお伝えします。


地元にある酒蔵に人を呼ぶことによって、地域の魅力を伝えていきたいという茨城県の阿部さんのプロジェクト。さて、どうなったのでしょうか。


============

酒造体験2日目の朝

次の日、朝5時に起床。ボイラーを付ける作業などを行ったのち、みんなで朝ご飯。大家族みたいですね。

皆コツをつかんできたからか、サクサクと作業がすすみます。もろみをかき混ぜる櫂入もやっぱり大変ですが、少しずつなれてきました。「うちの期間従業員になってもらおうかなあ」と西岡さん。

もろみをかき混ぜ終わると、あることに気付いた参加者たち。「なんか音がする…?」

発酵がすすむにつれ、タンクのもろみの状態も日々変化します。

まるでかみなりおこしのようにポロポロになった米麹。米麹は甘酒の原料にもなります。


ギャラリーにもなる!酒蔵めぐり

いったん酒造りの仕事が早く片付いてしまったので、西岡さんから、今回作業場として使った場所以外の案内がありました。

過去精米などをしていた場所は、今はギャラリーやイベントスペースとしてつかっているのだそうです。ここで日本酒を飲みながら音楽に耳を傾ける、なんてイベントも開催しているのだとか。古民家カフェのような佇まいですね。

こんな昔の電話機も発見。

こちらは地元の美大生とコラボして作ったラベル。昔ながらの伝統的な日本酒造りを守る一方、こうした新しい取り組みも積極的に行っています。

次に訪れたのが検査室。私たちの作っているお酒もきちんと検査にかけられます。

そして最後に訪れたのが、「税務署の方をお迎えする部屋」。(中には入れませんでした)昔は、交通機関が発達しなかったこともあり、こちらに税務署の人が一晩とまり、酒造りをチェックしていたのだとか。

思い返すと、日本酒造りの最中、西岡さんは温度や、どのような作業をしたかなど、何かアクションをするたび、ノートにメモをとっていました。これは、酒税法で定められた「記帳義務」のため。税務署員からの要請があった時に見せられるようにしておきます。今後の酒づくり活かすためにも、今の酒づくりデータを詳細にわたって記録しておくという意味もあるのだそう。

西岡さんは言います。「昨日、布団で温めながら米麹を作ったときに、“生き物を育てているみたいだ!”と皆さん思ったと思います。まさに生きているものを扱う醍醐味があるのですが、一方で、まるで精密機器を作るようにきっちりとデータを報告し、税をおさめなきゃいけないという大変さもある。これはワインやビールなどと比べても、日本酒が特にそうであるように思います。」


日本酒造りは大変…だからこそ、やりがいがある。


「日本酒の生産量が減っている」「蔵がつぶれている」といった話はよく聞きます。その理由としては、やはり売り続けるのが難しいから、ということが理由にあるそうです。

「もし、皆さんが蔵をはじめたとすると、まず3年間は国からある一定量の生産がノルマとして課せられるんですよ」と西岡さん。いってみれば、仮免許の状態で、ある程度軌道にのせなければいけないということ。麹室やボイラーなど、初期投資も必要なので、ちょこっと造

ってやめる、なんてことはできません。かなりの覚悟が必要です。だからこそ、「日本酒を造る人々は、強い想いで、命がけでお酒を造っている」。

造り手の人の生の言葉と、自分たちが汗をかきながら体験することによって、そう強く感じました。


江戸の時代にタイムスリップしたかのような真壁の街並み

Readyforの井上は、この酒造体験に参加するまで真壁というところがどのようなところか全くわからず、都内からかなり遠いなあというイメージしかありませんでした。どんな場所だろう…という不安感はありましたが、真壁で実際に酒造体験をしたり、合間に散歩をしてみたりするうちに印象が変わりました。城下町として栄えた頃、商人たちが作った蔵や、旅館があり、にぎにぎしています。


今回は時期がはずれていて行くことができませんでしたが、2月から3月(今年は2月4日~3月3日)にかけて、期間限定でひなまつりイベントが開催されます。見世倉・土蔵などが軒を連ねる風情豊かな城下町に、約180軒の家がひな人形を飾るというもの。平成14年頃、住民の有志が「真壁にきた人をひな人形でもてなそう」と思いついたアイデアではじまったそうで、今は毎年10万人ほどが訪れるほどの人気となっています。


もちろん、西岡本店さんも舞台の一つになっています。特別に、蔵に保管してあったひな人形を見せてもらいました。このひなまつりには「お雛様を通して、和の文化・和む心・人の和が広がってほしい」という住民の想いが込められており、いろいろな方から寄付でお雛様が集められたそうです。

酒造体験を通して、日本酒造りの奥深さに触れるとともに、ふと毎日に疲れたら訪れたいような大事な場所を見つけられたようなそんな2日間でした。


【酒造体験動画】

酒造体験2日間の様子が凝縮されて動画になっています。

ぜひご覧ください!!