ファンに支持されるリターンとは?ファンの皆さんが見たいと思っているものを作りたい!結月ゆかりレーシング

今回は、近年ボイスロイド・ボーカロイドで人気が着実に伸び、多くのファンを持つ「結月ゆかり」のレーシングの資金をクラウドファンディングで調達、結月ゆかりレーシングを実現させようとしている渡辺孝弘さん(マゾドラP)にお話を伺いました。

土橋さんのプロジェクト:

https://readyfor.jp/projects/yukari_racing/announcements/49345


聞き手:Readyfor 広報 後藤 梓


お話   :渡辺孝弘さん(マゾドラP)

レーシングドライバー。2009年、2014年にスーパー耐久出場。アニメやキャラクターとレースのタイアップの先駆けとして結月ゆかりレーシング実行に向けて活動している。

後藤:もともとレースを中心に活動されていたんですよね?

渡辺:車が好きで、レース歴は2000年からもう16年ほどになります。MMDは2010年ごろ、一緒にレース活動をしていた友人と「あれ見た!見た!」という話をしていて、「面白そうだしやってみようか」と思い、始めたのが一番最初なんですよね。

※MMD…「MikuMikuDance」というフリーの3DCGムービー製作ツール

後藤:いきなり車を動かし始めたのですか?

渡辺:いえ、いろいろな車のモデルも結構出ていたのですぐに動かしたかったんですが、基本的な動作がわからないのにいきなり車を動かすのは難しいなと思い、まずは初音ミクを踊らせてみたりしてました。

後藤:今に至るまでの経緯を教えていただけますか?

渡辺:2010年ごろ、諸事情あってレースとは少し距離をおいていたんです。そんな時に、友人がMMDを教えてくれてMMDで動画を作ってniconico動画に投稿したりしていました。レースが好きな方、ボーカロイドが好きな方、初音ミクが好きな方、いろいろな方が動画をみてくださって。MMDやVOCALOIDをやっている人たち数十人で集まってオフ会をしたりしましたね。そこで「レースが好きで」というようなことを話していたんです。

後藤:MMDと今の活動とどのようにつながってくるんでしょうか?

渡辺:2014年にレースでお世話になっている方からスーパー耐久でドライバーを求めているチームがあるんだけどどう?と誘われて。その時にMMDで仲良くなった方々が友人たちに呼びかけてくださってお金が集まったんですが、予想外のハプニングでお金が余計にかかってしまって。私はVOCALOMAKETSさんに知り合いがいるんですが、その方が販売元のAHSの社長さんにお話をしたところ、社長さんが「スポンサー」ということではなく「個人」として「足りない分だしてあげるよ!」と協力してくださったんです。その時に、「せっかくだから何か車に貼りませんか?」と提案して結月ゆかりさんを貼ることになって。

後藤:その時に、新しいファンの方とも出会えた、ということでしょうか?

渡辺:2014年のレースの時に、友人が結月ゆかりさんを貼った車が走る姿を撮影してくれて。それをniconico動画にアップしてくれたんですよ。niconico動画のコメントで「ゆかりさんが走ってるのを見てみたいです!」「もう一回見たいな!」という声をいただいて。


みんなが欲しいもの、見たいものを作れるクラウドファンディング

後藤:今回、クラウドファンディングを使うことにそれほど抵抗はなかったということでしょうか?

渡辺:今回、なぜクラウドファンディングを始めることになったかというと、レースカーなどを全て揃える必要があったからですね。マネジメント担当者と話し合って、リターンをつけてだしてみよう!と。みんなが欲しい(自分も含めて)もの、見てみたいもの、グッズをだしてみようと思いました。

後藤:クラウドファンディングを始めてみていかがでしたか?最初の4日間くらいで一気に拡散したイメージですけれども。

渡辺:大口の方からの支援が多いのに驚きました。2014年に支援してくださった方もいましたけれども、新規の「結月ゆかりさん」ファンの方からも支援いただいて。

後藤:今回の魅力的なリターンはどのようにして考えたのですか?

渡辺:既存の同じようなレーシングを参考にした部分はあります。あとは、みんなが欲しい!みたい!と思うようなものはどんどん取り入れていきたいと思っていて。自分を含めてみんなが欲しいものを出したい!という気持ちでした。

後藤:クラウドファンディングで大変だったことはありますか?

渡辺:クラウドファンディングのシステムをよく知らなかった方から質問をいただいたりはありました。達成したらすぐに引き落としがされるんじゃないの?とか。やはりちゃんと説明したほうが良かったなあと思ったりはしましたね。

後藤:クラウドファンディングをやってみて、良かったなと思うところはありますか?

渡辺:みんなが見たいものが作れるのがいいなあと思いました。

後藤:「みんなで一緒に作る」というところに参加してくれた、っていうことですね。

渡辺:みんなに参加してもらって一緒に作り上げて行けたらと思います。

後藤:参加してくださるのは嬉しいですよね。

渡辺:まだ、これからレースに出ないといけませんからね。600万円が達成すればやっとスタートが切れる、というところで。200万円だとまだいろいろ資金面でも準備しなくてはいけないですから。


結月ゆかりレーシングはファンのみなさんと一緒に

後藤:結月ゆかりレーシングは今後どのような展開を考えていますか?

渡辺:まずは、継続してやっていく、ということですね。大きいお金がかかるレースに出るのではなく、ファンの人も一緒にできるようにというのを一番に考えて。ライセンスを持ってる方だったら地方のレースに一緒に参加していただり、遊びに来ていただいたり。普段サーキットに足を運べないファンの人を呼んでみたりしたいですね。

後藤:今回も撮影はあるのでしょうか?

渡辺:スーパー耐久はCSなどでしか見られないので、走っている様子を撮影してniconico動画などに残していきたいと思っています。

後藤:結月ゆかりさんの良いところって一言で言うとどんなところでしょうか?

渡辺:やはりボーカロイドもあり、ボイスロイドもあるっていうところではないでしょうか。この間もniconico動画にボカコンの出展で結月ゆかりさんのボイスロイドで作ったものをアップしました。余裕があったら動かしたかったんですけど。レースってスポンサーにレースレポートを出さなきゃいけないんですよ。それを結月ゆかりさんに話してもらえばいいじゃないか!と。結月ゆかりさんって本当にVOCALOMAKETSさんが大事に大事に育てて来たものなんだなあと思っています。

後藤:最後に何かメッセージがあれば。

渡辺:私のレース活動っていうのはいつも友人たちに支えられているなあと思います。私自身、結月ゆかりさんが好きで、とにかく「これを貼って、走りたいんだ!」という気持ちでいっぱいです。

後藤:あと、ファンの方が聞きたいような内容があるかなと考えていたんですけど。最近はSNSで直接なんでも聞けてしまいますからね。

渡辺:そうですね。ボイスロイド、ボーカロイドが好きな人が集まって生まれたこの企画。「ゆかりさんがレースで走っている姿が見たい」っていう言葉に応えて、それを見せていけたらいいなと思っています。